朝香沙都子の夏の着物生活はこの着物に支えられているといっても過言ではない。 沖縄の南風原でつくられる夏の琉球絣のひとつ、琉球壁上布です。 琉球壁上布は上布と名前がついていますが、上質の細い苧麻糸で織られた上布ではなく壁糸の絹織物。 壁上布には、経糸は諸撚り糸、緯糸に壁糸がつかわれます。 壁糸とは強い下撚り(1400~2000回)をかけた糸と撚りをかけていない細い糸を引き揃えて上撚り(900~1600回)を下撚りと反対にかけた糸。下撚りのかかった太い糸は撚りが戻って伸び、撚りのかかっていない細い糸は撚りが増えて縮む、これによって細い糸に太い糸が波状にからみつくという状態となります。この壁糸を緯糸にすると、凹凸ができシャリ感のある布が生まれるのです。 着用体感としては、宮古上布ほど涼しくはありませんが、ラミーの小千谷縮に匹敵する涼しさです。水洗いはできませんが、汗抜きはしやすく扱いやすい。アイロンがけもしやすいです。 何より続きをみる
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