「白からはじめる染めしごと」(〜22日まで) 染織の世界は、糸づくりがあって、白い糸を染める、もしくは白い布を染めます。 主に、糸で括ったり、糊置きしたり、浸けたり、摺り込んだり、染めるところと染めないところがあって、多様な加飾技法の技で意匠表現をします。 そんな当たり前のこと…、と思われるかもしれませんが、今は当たり前ではないのです。 なぜなら、インクジェット、昇華プリントといった転写技術が加速して向上し、大量に普及しつつあるからです。 手仕事でひとつひとつ染められるもの、複製可能な転写技術によるもの、全く違う工程です。 どちらにも、メリットとデメリットはあります。 その違いは、どこにあるのか。 何でもそうですが、まずは自分の眼でみることです。 そして知ること。 そのチャンスは逃さないこと。 *** この展示会は、丹後の小林染工房へ、手描き友禅作家とブラッシングカラーズを生み出した染織家が「引き染め」を学びにいったことからはじまります。 小林染工房の小林知久佐さんは、「しけ引き」と「暈し」という、染めの世界では刺繍や友禅の背景的な役割をしていた引き染めの技を、染料を知り尽くし白生地の地紋を活かして加飾技法として極めた方です。丹後ブルーで有名。 引き染めの技を体得し活かしたいと思う友禅師と染織家の向上心とそれに応えた小林さん。 その旅で、このメンバーで何かできないかと考え、開催されているのが今回の展示会です。 手仕事による技は、つくり手のセンスとそれを表現するための技が必須。 丹後での学びが、作品のどこに活かされているのか。 会場には作家の皆さんが在廊していらっしゃるので、お聞きするのも楽しいと思います。 ***続きをみる
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