三菱一号館美術館にて開催中の「ザ•ビューティフル ~英国の唯美主義~」へ
(開催中~5月6日まで)
※撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載許可を主催者さまよりいただいております。
唯、美しい…:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
唯美主義の芸術家たちの理想世界は、古代ギリシアとローマ、そして日本と
いわれています。
古代ギリシアのローブのような装束を纏った女性たちが持っているのは扇子。
そしてマリーゴールドの花輪。ここだけ時が止まっているかのようです。
アルバート•ムーア 「真夏」
さて、唯美主義とは何ぞや?
これを語ることこそ野暮ったいのですが、一言でいえば「唯、美しく」
19世紀中頃の英国、産業革命によって大量生産というものが可能となります。その結果、
美しくない手軽なものが大量に流通するようになります。←今のきもの業界とかぶる(-"-;
そんな世情を憂い、ただ美しくあるべき!物質的な豊かさだけでなく生活にも美を!
と唱えた主義です。唯美(ゆいび)主義も耽美(たんび)主義も英語ではaestheticism。
唯美主義は美を追求すること、耽美主義は美に耽溺することです。
ちなみに唯美主義では、百合は女性、向日葵は男性、孔雀は芸術の気高さをあらわします。
百合の花に鶴の屏風。美しいものの象徴として日本の屏風!そして百合。
フレデリック・レイトン 「母と子(さくらんぼ)」
19世紀末の英国で活躍した金細工デザイナーの作品。男性の象徴である向日葵。
トマス•ジェキル 「柵の部品」
パヴォニアとはラテン語で孔雀のこと。古くから美の象徴とされてきました。
この女性の眼差しの強さ、唯、美しい!
フレデリック・レイトン 「パヴォニア」
邸宅を飾るためにつくられたもの。表面が浅彫り、金と白金の箔がつかわれています。
エドワード•バーン•ジョーンズ 「ヘスベリデスの園」
古代ギリシアの装束に日本の扇子。これが唯美主義の理想郷。
左◇アルバート•ムーア 「花」 / 右◇アルバート•ムーア 「黄色いマーガレット」
壁面に梅と波文様。日本の小袖文様ですね。
ウィリアム・ブレイク・リッチモンド 「ルーク・アイオニディーズ夫人」
手にしている和本は北斎漫画だそう!金魚鉢も日本の美。
エドワード•ポインター 「メアリー•コンスタンス•ウィンダム(エルコ卿夫人)」
こんな室内履き、あったら欲しかった!
エドワード•バーン•ジョーンズ 「室内履きのデザイン」
シメオン•ソロモン 「月と眠り」
ジョージ・エイスチン 「客間の装飾デザイン 孔雀のいる装飾欄間」
ウォルター・クレイン 「奥方の部屋」
鳥好きの私は鳥をチェック(-_☆)
ぜひ会場で探してみてください。
ミュージアムショップStore1894ではヴィクトリア&アルバート博物館オリジナルグッズを
直輸入。唯、美しい~ものがズラリ
ウィリアム•モリスのバッグやポーチ
こちらのブッグカバーのテキスタイルは今展示会のオリジナル
英国バーレイ社のCALICOシリーズ
ヴィクトリア朝を彷彿とさせつティーセット
今展覧会の図録にもウットリです:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
唯美主義が展開された1894年(明治27年)に建てられたジョナサン•コンドルの
設計によるイギリスクィーンアン様式の建物を復刻した三菱一号館美術館。
この展覧会にピッタリすぎるぐらいピッタリの相応しい美術館です。
美しいものっていいな~っと幸せな時間を過ごすことができました
ふと、昔の日本人はもっときものを楽しんでいたのではないかな…と思いました。
効率化、量産化、周りとの調和、わかりやすいしきたりが求められる今の日本、
産業革命時代を彷彿とさせます。
英国で産業革命後「唯、美しい~」ものを追求する美の感性至上主義が生まれたように、
きもの業界にも、ただ美しいものをつくりだそうというムーブメントが起きるといいのですが…。
その前に美しいものをつくり出す人たちが埋没してしまいそうで心配です。
唯美主義者たちが理想とした日本は今は無い…。この状況が哀しいですねえ(ノ_-。)
「きものカンタービレ♪」のFacebookページ
↧
「ザ•ビューティフル 〜英国の唯美主義 〜」内覧会 at 三菱一号館美術館
↧