天皇陛下の御即位を祝して、脈々と受け継がれた皇室の宝物が正倉院から東京国立博物館へやってきました! 今年は、東京国立博物館と奈良国立博物館での同時開催。東京国立博物館は前期と後期で展示品の入れ替えがあります。 1260年あまりの悠久の時を経て、今も残る正倉院はシルクロードの終着点。 土に埋もれたものではなく、正倉という建物に納められ人に守られてきたものゆえに染織品は色鮮やかに残り、香木は今もその効能を保っているという世界でも稀な貴重なものです。 東京国立博物館の「正倉院の世界」での展示は、正倉院宝物と法隆寺献納宝物を同時展示されています。 皇室から法隆寺裂が献納された時にはまだ東京国立博物館がなかったため、法隆寺裂は正倉院に仮置きされていました。その後1882年(明治15年)に博物館が完成し移送される時に、染織品が納められた唐櫃の一部を正倉院のもとと間違えて運んでしまったという逸話があります。 法隆寺裂と正倉院裂が混同されてましたが、2010年から行なわれている献納宝物の修理に伴って行なわれた調査で染織品の技法と文様の違いから両者の判別が可能となり、今に至ります。 あまり知られていませんが、染織に興味のある方は、そこも要チェックです。 正倉院宝物は聖武天皇の遺品をはじめとした天平文化の美術工芸品。世界でも貴重な舶来品の染織が残っています。 正倉院北倉「花氈4号」 ※内覧会で撮影されたもの大陸からの舶来品の花氈。羊毛をフェルト状に縮絨したものです。「縮絨」とは毛織物の仕上げ工程のひとつ。水分を含ませてから熱と圧力によって布を縮め織り組織を密にすることをいいます。花の中で打毬をする男児がいま続きをみる
『著作権保護のため、記事の一部のみ表示されております。』