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芭蕉布今昔展 at 大宜味村農村環境改善センター / 琉球染織巡りの旅 その6

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芭蕉布づくりワークショップ•苧績み at 芭蕉布会館 / 琉球染織巡りの旅 その5 のつづき

「芭蕉布今昔展」「日本の自然布展」両展示とギャラリートークを、喜如嘉滞在中2日間の
講演会とシンポジウムそしてワークショップの前後に堪能いたしました。

「芭蕉布今昔展」は大宜味村農村環境改善センターの2階にて開催サーチ


昨年の夏と秋に東京と那覇で開催された芭蕉布展の集大成ともいえる展示。
前評判も高く、きもの雑誌の編集の方が日帰りでも行きたい!とおっしゃっていたぐらい。
会場では東京や京都でよくお会いする産地問屋さんや作家の先生方にもお会いしました。

芭蕉布づくりの工程や道具も展示。


※展示会場内の写真は平良美恵子先生より許可をいただき撮影及び解像度を下げて
掲載しています。転載は固くお断りいたします。

さてこの展覧会、どこを見ても芭蕉布だらけ(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)!!
知ってはいても感嘆せずにはいられない…、
芭蕉布のきもの110点を含む250点、充実の展示でした。

以下、平良美恵子先生によるギャラリートークからまとめましたφ(.. )

この展覧会の特徴としては、戦前の上物芭蕉布などは解いて洗い張りをし、修繕して
現状元通りになるよう仕立て直しをしてあるということ。
博物館などに寄贈されたものだと、手を入れることができないそうですが、仕立て直したこと
によって、当時の暮らしとともにあった芭蕉布がわかるようになっていました。


江戸時代の武士の裃にも芭蕉布がつかわれていて、復元品もありました。
昔は貢納品をつくるために沖縄全域のどこの家にも芭蕉畑があったといいます。
琉球王朝時代の献上品であった芭蕉布はとても糸が細く今ではつくれないそう。
糸づくりのワークショップの後では、その貴重さと大変さが実感できます。
芭蕉布というと折れ目のようなシワが気になりますが、糸が細かった頃は
シワになりにくかったのかもしれません。


マニラ麻との交織布の着尺や御殿柄(ウドゥン)柄の着尺、芭蕉布瀬名派型染め、
自慢着といわれる様々な絣が入ったツギハギの着物etc…。絣柄も豊富で見飽きません。
紺地(クンジー)の芭蕉布は祝い事の時に着るもの、下前の衿先に別の布が継いであるもの
は「布が足りません、私にもっと着物をください」という神への願いが込められたものという
お話もありました。わかりやすいようにあえて左前が見やすい展示になっていました。


絣の大きさの説明では、絣の大きさは身分を表していて一幅に二つの絣文様があるものは
身分の高い人が着ていたもので、二玉(フタタマー)といいます。
御殿柄(ウドゥン)も二玉で琉球の王侯貴族の柄だったのだそう。
この日私が着ていた琉球絣はこの二玉だそうです。身分が低くなるにつれ絣は小さくなります。
現在の琉球絣は絣が小さいものが多くて、二玉のものは中々見つけられないのですが、
私は大きな絣が好みドキドキ二玉の琉球絣、芭蕉布今昔展を機に流行らないものかしら…。


戦前、戦後、沖縄復興後、そして現在のさまざまな芭蕉布。
芭蕉布の花織や花絽織など垂涎の作品もありウットリ~:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
煮綛芭蕉布帯地の復元品、福木で染められた花絽織のもの欲しかった~恋の矢

着物以外にも平良敏子先生が戦後、芭蕉布を復興させようと模索しつつつくられたという
座布団やテーブルマット、ブラウス、バッグなども展示。材料を大量に仕入れて喜如嘉の
人とともに芭蕉布を産業として軌道にのせ、後に芸術の域に達するまでが見てとれます。

琉球王朝時代の絵師である仲宗根嶂山(しょうざん)が芭蕉布に描いた山水画、
1712年(正徳12年)刊の百科事典「倭漢三才図会」←葛布と芭蕉布がでてくる
糸車の枠に芭蕉布づくりの道具が描かれた、城間栄喜氏の藍型の芭蕉布の暖簾、
金城次郎氏が芭蕉布にマジックで魚を描いた軸などもあり、それぞれの逸話のお話も。

芭蕉布今昔展のパンフレットはカレンダーになっていました(ノ゚ο゚)ノ


これだけの芭蕉布の展示、東京で開催したらさぞかし話題になるのでは…?と思ったのですが、
美恵子先生は「ぜひ喜如嘉にきてこの空気の中で芭蕉布を感じて欲しい」とおっしゃっていました。
さらに、喜如嘉の地の今に受け継がれる芭蕉布を喜如嘉の方にも見て欲しいということでしょうか。
糸芭蕉からの糸づくりの困難さをチラッとですが体験し、やはり感じることは大切ビックリマークと実感した私。
芭蕉布に興味をもったら、ぜひ喜如嘉の空気を体感されることをおススメいたします。


きものの産地はどこも後継者不足で次世代への継承が危ぶまれています。
喜如嘉も芭蕉布づくりに携わる方々はご高齢の方ばかりで難しいとお聞きしていたのですが、
皆さまご高齢には違いなくとも、(何せ平良敏子先生ですらお年寄りの入口らしい)
芭蕉布づくりは平良美恵子先生がいる限り大丈夫!と確信いたしました。
あとは、きものを着ることが非日常となってしまった現代において、どれだけ売れるのか?
ということでしょうか。何せ高級品です。
芭蕉布の自然の風合いは繊細な手仕事の賜物。それでもサラッと纏ってみたいものです。

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