日本の四季の中でも、ノスタルジックな雰囲気があるのは夏。空気の色、そして音。見えるものではないのだけれど、日本の夏には郷愁を呼び覚ますものがあるのはなぜなのかしら…。 「日本の夏じたく」というタイトルは、いそいそとお支度、そしてついお買い物をしたくなる…じつに巧いネーミングだなと前々から思っておりました。 鶴翔閣の柱や建具と相俟って素敵な展示になっています。会場が素敵だとより楽しい♪そして染織は自然光でみることができるかどうかが大事なのです。 前々から興味があった、古典織物の中島洋一さんの「日本の絹文化」のお話とお食事会へ。古代裂の研究者であり御遷宮や表装の貴重な文化財の絹地を復元されている作家さんです。三渓園はお食事処がない…と思っていたので、西川さんにお願いしてこちらを事前に申し込む。 そしてプレミアムなお土産がついていました♡「戌巴菱牡丹唐草文錦」の巾着。通常の糸は太さ3デニール、長さ1200mくらいですが、太さ1.29デニール、長さ400mという細くて短い古代蚕品種「四川三眠(高麗から来た蚕)」の糸がつかわれています。今は八王子の養蚕農家さんがつくっているのだそう。糸はその重量で価格が取引されますので、これを生産し維持していくことは手間がかかり大変。しかし細くしなやかな織物になるのだそうです。経糸には四川三眠(若干茶色かかっている)、緯糸はあおじゃくの練絹。そして出雲で生産されている紫草の紫根がつかわれた染めです。緑色は藍にエンジュをかけたもの。織の文様は戌年にちなんで戌。そして巴に四方には蛙がいます。写真がボケておりますが、帯飾りとしてさっそくつけておりました。 お話は、日本の絹文化。野蚕や古代蚕品種について生絹と練絹機は織り幅76cmのジャガード機を西陣から取り寄せて自宅の天井をぶち抜いてつくられているのだそう。イランの裂地を復元されたもの。柘榴に唐子が可愛い♡ 紫草を媒染して漉して顔料化したもので描かれた扇子 今回ご案内をくださったT続きをみる
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