着物生活をはじめて10年が過ぎました。 「家でも着物で生活しよう」と思ったのには理由があります。ただ単に着物が好きで常に着物を着ていたいからではありますが、それよりも「朝香沙都子はいつも着物の人だ」とまずは身近な周囲の目から慣らしてしまいたかったのです。 着物を着ることが多くの人にとって特別なことのようになってしまったがゆえに、結婚式やお祭りというようなわかりやすい理由でもなければ、日常で着物を着ている人に対して「こんなところ!?で自己主張して…」とか「妙に気合いれて頑張っちゃって…」という印象をもつ人もいらっしゃると思います。 私は元々人様からの評価を気にするよりも、自己責任で自分の意志を成し遂げるようにしていますし、噂話をするような集まりや人がとても苦手なので気にしませんが、自分は気にしなくても周りに迷惑がかかると困ることもあります。 洋装が主流の今の世の中で着物を着ていたら、派手なものではなくても「着物」というだけで目立ちますし浮きます。これはマジョリティ(社会的多数)に対してのマイノリティ(社会的少数)の定め事のようなもので自然なことです。 これを打破するには「着物を着るのは普通のこと、だって日本人ですもの」という世の中にするしかないのですが、日本人が自国の続きをみる
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