静岡県三島市にある佐野美術館にて開催中。
「きもの•装いの美 百選会•上品會の歴史 ~髙島屋コレクション~」へ
(2013年10月12日~12月23日まで。展示替えあり。11月22日~より後期展示)
きもので来館するとお土産がいただけます。この日はクリアファイルを頂戴しました
百選会のレポ(こちら☆
)につづいて上品會です(^-^)/
上品會は1936年(昭和11年)に染織美の極みを追求することを目的としてはじまります。
同人と呼ばれる老舗呉服業者が、織、染、繍、絞、絣の染織五芸
を競い合う会のことです。
当初「染の千總」「帯の龍村」「織の矢代仁」の3社が出品していましたが、戦争を挟んで一時中断。
1953年の再開後は、東西の名匠であった、秋場、川島織物、大羊居、大彦、龍村美術織物、
千切屋、千總、ちた和、林、矢代仁、山本の11社が参加。
現在は千總、龍村美術織物、矢代仁、岩田、秋場、川島織物、大羊居、千切屋の8社が参加しています。
上品會の「上品」とは上質なだけではなく、官の等級や種類の上下を表しています。
仏教用語のひとつでもあり、最上に位置するのが「上品」なのだそうです。
百選会との大きな違いは、流行に左右されることなく染織の最高峰を目指した結果を
展示会として発表するというもの。
制作する立場の人が伝統の技の極みを惜しまず最高峰の作品をつくるにはどうしたら良いか…?
制作するのに惜しみなく最高の材をつかい技術をつかっても、その作品が売れないのでは
つくることはできません。
上品會を上品たらしめている最大の特徴は、入選作すべてを高島屋が買い取るという制度
によるもの。それによってつくり手は、妥協することなくクオリティの高いものを産みだすこと
が出来るのだと思います。技の極みといっても過言ではない作品群です
振袖◇千總「満天豊来」 1961年(昭和36年) 第9回上品會
まるで火の鳥のよう\(゜□゜)/ 千總製というのは意外でした!
手描きに刺繍で鳥や空気の動き、躍動感が表現されています。
黒留袖◇矢代仁「ハプスブルク王冠」 1994年(平成6年)
1720年(享保5年)創業時は西陣織着尺、白亀綾縮緬、ビロードを扱う呉服商でした。
生糸から一貫制作する名門。矢代仁といえば御召が有名ですが染めの素晴らしい作品も
つくっています。
黒振袖◇大羊居「聚楽豊春」 1957年(昭和32年) 第5回上品會
鶴に立涌、扇子には四季草花、立浪にも文様がたっぷり。染めも縫いも贅を尽くした作品。
「もしもどれか1つ頂けるなら~」っという、いつもの勝手な妄想ですが、こちらを頂きます!
どこをとっても素晴らしい~
左から
御召◇千切屋「コザック繍花」 1954年(昭和29年) 第2回上品會
大島紬◇秋場「楊貴妃大島」 1961年(昭和36年) 第9回上品會
色振袖◇ちた和「延命菊寿文」 1953年(昭和28年)第1回上品會
振袖訪問着◇大彦「美韻交響」 1966年(昭和41年) 第14回上品會
今は無き大彦の作品。西洋風の要素が入った意匠が多く芸術品です。
世界中にコレクターがいるようで大変 私もボチボチ集めています。
きものという衣裳には、歴史と四季のある風土に培われた伝統と卓越した日本人の美意識と
それを体現する技が生きています。
それを次世代につなげていくためには、つくり手の方に妥協することなく作品づくりをして
もらう他にありません。
※展示会場内での写真撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載は佐野美術館さまより
許可をいただいているものです。
「きものを身近に…」的な考えだけで本物を伝承することは不可能だと思っています。
浅い考えに付加価値をつけたようなものが大量につくられ、着付けとセットで売られることで
本物が消えていく…という現在の状況に危惧を抱かずにはいられないのですが、それでも
一人でも多くの方に着てもらわないことには、どうしようもないのも現状ですね( ̄_ ̄ i)
上品會のきものは、つくり手の方にも、きものを売る方にも、是非みていただきたいです。
絵画や茶道具もですが、本物をみていれば偽物は自然とわかるようになりますが、
偽物になれてしまうと本物を見極めることはできないように思います。
静岡県というと遠い気がいたしますが、東京~三島間は新幹線こだまで約1時間。
晩秋の回遊式庭園の散策もおすすめです
鴨もたくさん泳いでいました(≧▽≦)
佐野美術館は、武具甲冑そして日本刀のコレクションでも有名です。
実は昔、こちらの刀剣教室にも通っていました。
ミュージアムショップでは日本刀の手入れにつかう打ち粉や油もミュージアムショップで
扱っています。
髙島屋のポスターを絵葉書にしたもの、龍村美術織物の小物なども。
隣接するお食事処「松韻」では地元のお魚や野菜をつかったお料理も楽しめます♪
写真撮り忘れ…(>_<)
【12月6日の装い】三島◇晴れ(富士山がクッキリ) / 最低気温3℃ 最高気温16℃
上品會にも加盟している秋場の結城紬です。秋場は織元ではなく織物問屋。私好みの
ものがたくさんあるので要チェックしています。
これは重要無形文化財指定は受けていないものなのでお手頃価格でした
松にカラスのアンティーク刺繍の帯をコーディネート
帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房
バッグはRADLEYのシグネーチャーシリーズ
ぞうりはカレンブロッソのカフェぞうり。シマウマの花緒のもの。
羽織は志ま亀のようで志ま亀でないっと思っていたのですが、やはり志ま亀らしいです。
母はあまりどこで購入したのかこだわらないので不明だったのですが、この羽織の文庫紙が
志ま亀だったと最近判明
↧
「きもの•装いの美 百選会•上品會の歴史 ~髙島屋コレクション~」at 佐野美術館 / 上品會
↧