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通し狂言「仮名手本忠臣蔵」 / 歌舞伎座新開場 杮茸落十二月大歌舞伎

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今年の歌舞伎座は11月と12月で配役を変えて「仮名手本忠臣蔵」が上演されています。
11月はベテラン名優、12月は若手花形俳優による顔合わせ。
歌舞伎座新開場で盛りあがるこの年に、何故にふた月つづけて同じ演目を上演?
違う演目のほうが、より多くの客層による集客があるのでは…(・_・;)? 、、、っと、
余計なお世話なことを思ったのですが、これには古典歌舞伎の規範ともいえる作品
「仮名手本忠臣蔵」を次世代へ継承していくという大きな意図があるのだそうです。
なるほど~(ノ゚ο゚)ノ、本物の伝統芸能を継承していくための奥深さを感じました。
ベテランと若手を見比べるのはファンにとってもまた楽し♪ですしね。

通し狂言「仮名手本忠臣蔵」の見どころのひとつ。「大序」
「大序」とは浄瑠璃作品の序段部分の総称のことですが、今では「大序」といえば
「仮名手本忠臣蔵」のように思います。初演が人形浄瑠璃であった名残でしょうか。
まず開幕に先立って、定式幕の中から裃姿の口上人形が登場します。
「えっへん、えっへん」と咳払いをしながら、役名と出演俳優を紹介し、
「お茶、お菓子などを召し上がりながら、ゆるゆるゆるゆるゆるゆる…、とご見物のほど」
っととぼけた顔で口上を述べます。
昔々の芝居小屋の雰囲気が伝わってくる今では「仮名手本忠臣蔵」のみの演出ですが、
はじめての歌舞伎鑑賞におすすめです合格
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忠臣蔵といえば「時は元禄15年、…」言わずもがな江戸時代のこと。
1701年(元禄14年)3月14日、江戸城内において御勅使饗応役の赤穂藩主浅野内匠頭が
高家筆頭吉良上野介に刃傷に及んだ松の廊下刃傷事件、これによって内匠頭は即日切腹、
浅野家は改易断絶。翌年1702年(元禄15年)12月14日深夜に、元赤穂藩国家老大石内蔵助
率いる47人の赤穂浪士が吉良邸に討ち入り、上野介を討ち取って亡き主君の恨みを晴らした
という、元禄赤穂事件を題材に脚色されたもののことです。

江戸時代は徳川幕府による風紀統制がなされていました。この類いの御家騒動はある面では
幕政批判に通じ兼ねないことから、人形浄瑠璃や芝居において違う時代や人物設定に置き換える
ことで免れていたのです。

「仮名手本忠臣蔵」も時代は南北朝、表向きは「太平記」の設定に置き換えられています。
しかし、松の廊下刃傷事件の引き金になったともいわれる装束の大紋や江戸小紋の裃などは、
もちろん南北朝時代にはないものです。
人間関係も「太平記」とは全く違ったもので…、まあ無理矢理なものです汗
なので、太平記の予備知識は必要なし。あると反って混乱するかもσ(^_^;)
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【配役】
塩治判官(浅野内匠頭) → 尾上菊之助
顔世御前(阿久里のちの瑤泉院) → 中村七之助
大星由良之助(大石内蔵助) → 松本幸四郎
大星力弥(大石主税) → 尾上右近
斧九太夫(大野九郎兵衛) → 松本錦吾
加古川本蔵(多胡真蔭) → 中村勘之丞
薬師寺次郎左衛門(庄田安利) → 片岡亀蔵
石堂右馬之丞(多門重共) → 市川染五郎
桃井若狭助(亀井茲親) → 市川染五郎
足利直義(柳原資廉) → 坂東巳之助
高師直(吉良上野介) → 市川海老蔵
鷺坂坂内(吉良家の家来) → 河原崎権十郎
早野勘平(萱野勘平) → 市川海老蔵
おかる(おかる) → 坂東玉三郎
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南北朝のころのことです。
鎌倉幕府打倒を志し後醍醐天皇の下で戦った足利尊氏と新田義貞ですが、尊氏は
征夷大将軍となり室町幕府を開き、のちに藤島の戦いで新田義貞を敗ります。
そして鎌倉鶴岡八幡宮を造営し、弟である足利直義をその勅使として差し向けます。
その饗応役として命じられたのが、塩治判官と桃井狭之助、そして儀典指導は足利家の
執事である高師直という設定。
義貞は源氏の嫡流なので義貞の遺品の兜を八幡宮に奉納し人心をまとめようとする
尊氏の考えに基づいて、義貞の兜を検分するところから物語ははじまります…。

高師直(吉良上野介)の海老蔵…、こういった役もこなせるのかと意外!?。
塩治判官(内匠頭)の菊之助の纏う空気感が素晴らしい…。瞬きひとつに無駄なし。
「通さん場」といって客席の出入りを禁止する緊張感ある、切腹シーンは空気が張りつめていました。

そして、玉三郎の美しさキラキラ
重ーい、昼の部が一気に華やか。海老蔵よりもお若く見える!

この日はマスコミ取材日だったので場内には記者や演劇評論家の方が大勢いらしてました。
大学時代の親友の某新聞社文化部記者に再び遭遇!立場違えど色んなところで会ってしまふ。
事件を追って(事件じゃないけど)元恋人(違うけど)とはち会わせる話が漫画かドラマにあったような…汗
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歌舞伎座地下の木挽町広場では忠臣蔵祭りが開催中
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浅野内匠頭が無念の切腹を遂げた田村町屋敷跡にある新正堂の切腹最中。
お詫びのお品としても大願成就のお品としても、話題性もあっておつかいものにおすすめ合格
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風さそふ 花よりも猶 われはまた 春の名残を 如何にとやせん
浅野内匠頭の辞世の句

子供の頃から時代劇が好きで、中でもとくに忠臣蔵は好きでした。
そして浅野内匠頭の辞世の句を書の練習で書いたりしてました。
判官贔屓というか、男の生き様(死に様?)に憧れてしまふ日本人の典型かしらん。
この時期になると、瑤泉院の着ていた被布衿の道行を思い出したように欲しくなります…(・_・;)

コーディネートは別記事で(^-^)/

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