「カタコトの会」 〜型彫り、型染め、カタヤブリ!〜 が、江戸からかみ東京松屋ショールームにて開催中(〜 6月4日まで)
日本の型紙が海外へ流出し、西洋文化へさまざまな影響を与えていますが、それは日本には優れた和紙と切れ味の良い刃物ががあったから。そして型紙をつかった染織の技が発達しました。
江戸小紋、長板中形、和更紗、秩父銘仙、和綿織×和更紗 など、型紙をつかった染織、そして、道具が展示されています。
「カタコトの会」は伊勢型紙をつくる人、つかう人、愛する人の会。元々は飲み会だったそうです。会期中は、毎日14:00〜 作家によるレクチャーがあります。←無料です!
和更紗染色職人の中野史朗さん
更紗は型紙をつかった多色染め。何枚もの型紙をつかって丸刷毛をつかって染めあげていくものです。
図案に対して何枚もの型紙を彫り色を重ねていきます。型紙に紗張りをしないので、さらに文様が抜けてしまわないようにつなげるところと消すところもあり、多色ではなくても十数枚の型紙をつかうことになります。江戸小紋でいうところの主型と消し型のように繫がっているところとそれを補うところ、そして部分部分すべてに型紙が必要となるのです。追っかけ型といいます。型を送る星と型を重ねる合わせ星があります。
中野さんはもともとは建築の仕事をされていたそうですが、伝統工芸(というかマニアックな手仕事)がしたかったのだそう。染織の中でもとくに手間がかかりすぎるぐらいかかり、さらに精密さを要求される更紗染を探究されています。ご自身でも型紙彫りを学ばれて、さらにさらにといったところでしょうか。
シルクスクリーンどころかインクジェットでコピーの時代に一つの模様に何枚もの型紙をつかって染めるというこの手間隙かかるものの良さがどれだけ伝えられるのか。でもやっぱり手仕事ならではの深みってあるのですよね〜。そしてそれがわかると人生が豊かになる、気がする♡
和綿染織作家の白井仁さん。ぬぬパナでもお馴染み♪
私がいったときには、仁さんの和棉レクチャーは終わっていたのですが…、ご好意でみせていただくというかやらせていただくことに。仁さんありがとう〜♪
アジアでつくられる和棉は中に空洞があって空気を含むことから保温性があり、吸湿性と速乾性に優れた繊維で、まさに高温多湿の日本の風土に適している素材です。しかし和棉は短毛繊維で機械紡績がしにくいため、手で紡いで糸にするという工程が必要となります。
余談ですが、試験的に極わずかですが和棉の機械紡績糸もつくられていて、ぬぬパナ手ぬぐいは紡績の和棉でつくられています。
上は白棉、こちらが茶棉(ちゃわた)。白の和棉と茶色の和棉は交配しないように離れた場所で栽培するのだそう。
綿の実から種を取り出す綿繰り。
私も体験させていただきました♡
綿の実を広げて巻き込まれるようにしてハンドルを廻すと
こんな感じで種がでてきます
綿を柔らかくする弓打ち
指で弓の弦を弾いて綿をほぐしていきます。どんどん綿あめのようになっていく♪
空気を入れることで柔らかくなるのですが、命を吹き込んでいるよう。
ほぐした綿を篠巻きにして
糸車で引いて糸にします
右手の回転速度と左手の引き具合が難しい!!!
和棉を均等に紡ぐには、一定の落ちついた心が必要。和棉作家さんは皆さん癒し系が多いようにいつも思うのですが、それはこれができるからかなあ。。。
和棉×和更紗の作品が展示されています。和棉は素材としての絶滅危惧種ですが、更紗という技法もまさに絶滅危惧種。このマニアックな二人のつくり手の仕事はとても丹誠で美しい布となっています。
装丁家の熊谷博人さん、藍型染をされているソムリエの伊藤夏葉さん、そして白井仁さんと
伊藤夏葉さんの藍染。そして奥にある鯉口袖の野良着は熊谷さんのコレクションに合わせて白井さんが織ったものです。そして仁さんの仁さんゆえの色の秘密にはじめて気がついた!
「カタコトの会」とっても充実しています♪
※撮影及び掲載は主催者に許可をいただいております
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