2月10日は「太物の日」
着物には「呉服」と「太物」があります。
江戸時代に国産木綿の栽培に成功すると一気に綿織物が普及しました。この頃の綿花は和棉といわれている短繊維。短繊維を手紡ぎすると糸は太くなります。太い糸で織ると地厚で織り目も粗くなることから、綿織物のことを「太物」といいました。
綿織物は他の植物のように績むのではなく紡いで糸にします。そして染色もしやすい。さらに柔らかくて保温性が高く摩擦に強く丈夫であることから庶民の日常のきものとして定着しました。明治になると産業革命から長繊維の木綿の紡績糸が生産されるようになると和棉は減少の一途を辿ることになり、今では希少品となっています。
絹織物を扱うところは「呉服商」、綿織物、麻織物、毛織物を扱うところは「太物商」といわれました。その名残りもあり広義の意味で絹織物以外の反物を「太物」というようになります。
太物の利点は、何といっても水洗いができること。絹にはない、野趣あふれる素材や素朴な風合い、絣や縞も太物の魅力です。量産できるものは低価格帯なことも日常着として大切なポイント。
洋服での生活が主流となり、着物は冠婚葬祭で着るものという人が多かった時代から、今では着物はオシャレとして楽しむものという人が増えています。
太物は利便性を重視する着物ユーザーからの需要がますます伸びるかもしれません。
南部絞りの茜染の木綿の着物。木綿の着物に絹の胴裏と八掛をつけた袷仕立てです。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
Facebookページに「いいね!」をくださる皆さまありがとうございます。
相互交流までの余裕がなく心苦しく思いますが励みになっております。
皆さまの寛容さと染織に対する好奇心が私の原動力です♡