京都の「染の聚楽」の直営店である、銀座きものギャラリー泰三さんへ
銀座できものエンドユーザーと直接対話し、京都で最高級のものづくりを提供していらっしゃる高橋泰三さんと
最近はブログやSNSで情報発信をされるきもの業界の方も多くなりましたが、その先駆者でいらっしゃいます。
何よりも妥協のない丁寧なきものづくりをされているということが素晴らしい。白生地にこだわり、見えないところにも惜しみなく手を掛けたものづくりの姿勢は、今のきもの業界で無くなりつつあるもののように思います。引退するとよくつぶやいていらっしゃいますが…、こうしたものづくりの姿勢が目先の利益のみにとらわれた安易なものづくりへの抑止力になるように思いますので、できる限り末永くつづけていただきたいものです。
呉服店の変遷、きもの業界の相関図など、とても興味がありますが、きものエンドユーザーの立場では中々知り得ることができません。そういったことわかりやすくご教示くださいます。ありがとうございました。
泰三のきものは、絞りに繍箔の技を凝らした慶長小袖の現代版ともいえる豪華なものが主流。
桶染めに刺繍そして金彩加工。桶染めは絞りによる染め分けのひとつであり大変な技が必要とされます。
刺繍は最高峰の蘇州刺繍。日本刺繍は糸を縒ってつかいますが、蘇州刺繍の特徴は平糸で写実的に表現するのが特徴。通常1本の刺繍糸というのは極細の糸が12本で構成されているものだそうですが、泰三のものはそのうちの細い糸3本で縫わせることによって輝きのある繊細で精緻なものができるのだそう。そこに縁を金で囲うことによって立体感をだしています。
蘇州刺繍の職人の中でも泰三のきものを請け負う方は技術力が高いのだそうです。
刺繍の下絵はカチンではなく糸目糊でされるのだそう。それにより滲みなどの不具合もないとのこと。
余白があり、多色づかいでもなく、シンプルな意匠ですが、刺繍の立体感が品格のある華麗さをだしています。
派手ではなく上品な金彩加工。この摺箔の技は泰三のきもの以外でみることはありません。驚いたのは刺繍をされた後に縁蓋をし金彩加工をされているとのこと。
泰三さんはきもの業界の現状だけでなく日本の政治についても警鐘を鳴らされています。政治的な発言はきものエンドユーザーにきものづくりの真意が伝わらないのでは…?と余計な心配もしておりますが、文化の質は為政者の教養と見識が影響することからの厳しい発言とのこと。
なるほど…。そういったことをわかりやすく発信する人は確かに必要かもしれないと改めて思ったのでした。
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