第62回 斐成會 龍村の帯展へ
「斐成會(あやなすかい)」とは、晋の国の佐思の漢詩「貝錦斐成 濯色江波」(貝殻の文様のように美しい錦、色鮮やかな糸を集めて織りなりた錦のようにあやがあって美しいさま)から、初代龍村平蔵が命名。
その名の由来の通り、螺鈿のように美しい織物たちで溢れておりました。
新作の「螺鈿八角錦」は、螺鈿細工に宝玉の立体感!
初代龍村平蔵は1894年(明治27年)に龍村美術織物を創業。両替商の家に生まれた平蔵は呉服商の叔父の影響を受け織物の世界へ入ります。従来にない独創的な織物をつくりたいという思いから新技術の開発に打ち込み、数々の新しい織物を開発、ジャガード機の導入によっていっそうの図案の重要性を見抜き、優れた図案家の育成にも力を入れます。さらに、法隆寺裂、正倉院裂、そして名物裂と古から残された織物の復元のための研究。裂を分析し正確に模倣し復元することによって高度な技を習得し、糸の性質を巧みに利用して立体感のある織物を創造してきました。温故知新の哲学だそうです。
「どんな複雑な組織の織物も、経糸と緯糸によって構成されている」ということから、偶数で割り切れる数学的な織物から、割り切れない芸術の美の世界を構築することを考え新技法の開発に取り組み新しい芸術的な織物を完成させました。
今もその精神は引き継がれ、復元への探究心から得た技を創作へ発展させています。
こちらが織りあがった帯
さすが、龍村…。やはり重厚感が違います。
「聖華陶彩錦」 トルコの装飾タイル建築を思わせる地中海ブルー
素晴らしい作品をいくつか…。
一番気に入ったのは、こちら「九谷赤絵錦」
また「ない袖は振れない…」と書くと速攻で売れてしまうのかしら…。複雑(>_<)
九谷焼の絵皿がモチーフ。青海波に燕、牡丹。漆箔の白と赤の濃淡で九谷赤絵が表されています。
お太鼓にするとこんな感じ! 素敵(〃∇〃)
たれ先になるところの上はオランダ線、下は界切り線。龍村の手織のものは、紺×赤の線です。
関西では龍村の帯のオランダ線と界切り線をわざと見せて仕立てるとお聞きしますが、私は隠す派です。
小物も充実していました♪
じっくり見ることができて素晴らしい會でございました。
ありがとうございましたm(_ _ )m
そして、龍村さんでとてもお世話になった方のご逝去を知ることになりました。
生前のご厚情に深く感謝し、心よりご冥福をお祈りいたします。
朝香沙都子拝
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第62回 斐成會 龍村の帯展
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