9月8日に東京會舘にて行なわれた、伊勢ヶ濱部屋の祝賀会での装い
マニュアル通りの準礼装ですと、9月上旬は単衣の紋付訪問着に夏用(絽や紗など)
袋帯が相応しいということになるのでしょうか。
ですが角界では、行司装束も9月は夏の素材のもの、入り待ちで見る関取の方々の着流し
のきものも絽のきもの。力士の正装である五つ紋付袴姿も絽であった記憶があったので、
重陽の節句前ということもあり、菊と秋草文様に流水文様の絽の一つ紋付訪問着にいたしました。
誉富士関とのお写真 五つ紋付の絽目がわかりますでしょうか?
伊勢ヶ濱親方をはじめとして横綱日馬富士関も関取の皆さまも絽の五つ紋付袴姿でしたので、
絽の訪問着でもさほど違和感はなかったように思います。
女性のきものの方は、単衣の訪問着の方がほとんどだったように思いますが様々でした。
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【9月8日の装い】東京◇曇りのちゲリラ豪雨(湿度高く不快指数MAX)
/ 最低気温25℃ 最高気温29℃
大彦の京紫地に流水に菊と秋草に流水文様の絽の訪問着に向鶴の絽綴帯をコーディネート。
大彦は初代野口彦兵衛が当時友禅といえば京都だった時代1875年(明治8年)に創業。
様々な染色技術の研究を行い独自の意匠で京友禅に劣らない東京友禅をつくりだしました。
日本刺繍の技術が駆使されているのも特徴の一つです。
向鶴文様の絽綴の帯はもともとは袋帯だったのですが、帯芯を替える時に、自分で着付け
がしやすいようになごや帯につくりかえました。
ヘアは美容院でやっていただきましたが、着付けは自分で。
桔梗文様の絽の帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房
長襦袢は透け感が薄れるように白地でないものにするつもりだったのですが…(・_・;)
この日は夕方からゲリラ豪雨の予報でしたので、紗布コートを着用。
雨コートを着ると蒸れます…。絽の訪問着でも汗だくだくでした。
そして帰るときはゲリラ豪雨に遭遇し大変でした…(T_T)
バッグはかづら清老舗のもの。有職の唐緒がデザインされたバッグです。
束帯の太刀を腰に下げるための帯の平緒は唐組という素晴らしい組紐技術でつくられます。
はじめは1本の帯で結んだ余りを前に長く垂らして飾りとしていたそうですが、強装束に
なって結ぶのが困難になったために腰にまわす部分と前に垂らす部分を切り分け垂らす
部分が切り平緒となりました。平緒でつかわれる唐緒の色調と文様をデザイン化したもの。
9月の準礼装の装い…。お悩みになられる方、たくさんいらっしゃると思います。
私も日常は気候や体感温度にあわせて臨機応変に着心地重視の装いにしておりますが、
やはりお茶会や結婚式などでは自分勝手な装いをするというわけには参りません。
お茶会は暦にあわせた室礼がありますので、おもてなしくださる側の意図を汲み取って、
その場の空気を乱さない装いを心がけることが大切になるかのかなと…。
結婚式は昨今は和装婚ブームだそうですが、花嫁衣裳は袷仕立てのほうが豪華に
みえることもあって、レンタルの花嫁衣裳で夏物や単衣はまずないそうです。
双方のご親族、お仲人さまも花嫁衣裳にあわせて袷の黒留袖の方々がほとんどだそうで、
招待客の方もホテルでの挙式披露宴では袷でそろえられることが多いとお聞きしています。
招かれる立場としては夏の装いで列席したほうが喜ばれる場合もありますので、その辺りは
招待してくださった方にご確認されたほうが宜しいかもしれませんね。
パーティーではその会の趣旨にもよりますが、きものの素材は今の気候にあわせて臨機応変に
変わっても良いのではないでしょうか。
きものは暑くて着ることができないから洋装にします!
洋装なら真夏に毛皮でも真冬に透け感のあるものでも自由!
というのも日本人であるのにおかしな話
理由を考察もせずただマニュアル通りが安心としてしまうより、変革を恐れずに柔軟性を
もった考え方をして、たくさんの人がきものを楽しめますように…、と切に願っています。
華やかな?(男祭りですが)祝賀会のようすは別記事にてあげます(^-^)/
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伊勢ケ濱部屋 祝賀会 at 東京會館 / 大彦の京紫地秋草に流水文様の訪問着に向鶴の絽綴帯
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