宮古上布の歴史と絣つくり 宮古織物事業協同組合へ / ぬぬパナ八重山勉強会の旅 その6 のつづき(^-^)/
宮古島で織られている麻織物は、「宮古上布」「宮古苧麻織」「宮古麻織」「宮古織」があります。
ザックリとまとめましたφ(.. )
宮古上布◇経糸と緯糸の両方に手績みの苧麻糸。経糸は双糸の撚りつなぎ、緯糸は単糸の撚りつなぎ。
藍色に十字絣の宮古上布は、染料は琉球藍。絣は手括りか機締めの十字絣。14ヨミ以上。
草木染めの宮古上布は、染料は草木染め。絣を入れる場合は手括りか機締め。12ヨミ以上。
どちらも、砧打ちで光沢をだす。
<宮古上布の重要無形文化財の指定条件>
①すべて苧麻を手績みした糸を使用すること
②絣模様は伝統的な手結いによる技法、または手括りによること
③染色は純正植物染めであること
④手織りであること
⑤洗濯(仕上げ加工)は、木槌による手打ちを行い、糊は天然の材料を用いて調整すること
宮古苧麻織◇経糸に機械紡績苧麻糸(ラミー)緯糸に手績み苧麻糸。12ヨミ以上。化学染料と琉球藍、草木染めの併用。
宮古麻織◇経糸緯糸に機械紡績苧麻糸(ラミー)。縞模様が中心。絣で模様を表すこともある。12ヨミ以上。化学染料と琉球藍、草木染めの併用。砧打ちで光沢をだす。
宮古織◇経糸に木綿糸、緯糸に機械紡績苧麻糸(ラミー)。縞模様が中心。絣が入ることもある。12ヨミ以上。化学染料。経糸が木綿なので丈夫。バッグなど加工品向き。
宮古上布の工程はザックリ分けると①糸績み②絣締め③糸染め④織り⑤砧打ちの5つの分業制です。
見学は工程順ではないので、レポは順不同です。
●織り●
宮古機といわれる、通常の高機よりも小さめの織機がつかわれています。
日本各地さまざまなところでお会いしていたのですが、宮古島での対面ははじめてとなりました。私の足の損傷も皆さまご存知でご心配くださっていたそうです…^^;上原のり子先生と荷川取ひろみ先生と
このときは、後染め用のラミーの宮古麻織を織っていらっしゃいました。
宮古の糸綜絖。
手績みの苧麻糸が痛まないように経糸がスムーズに動くように宮古島独自のもの。
緯地糸と緯絣糸の2つの杼がつかわれます。
絣がよくみえるように、紺色地の布がかけられています。
織って絣をあわせて、織りすすんだら糊付けをします。
糊付けは仕上げに豚の脂がつかわれます。これが宮古上布の艶の元かもしれません。
●糸績み●
宮古上布の最大の特徴は、経糸と緯糸に手績みの苧麻糸がつかわれること。工程の中でもっとも時間と技を必要とします。宮古島では宮古苧麻績み保存会が結成され伝承者養成講座を開講し、苧麻の栽培、繊維取り、苧麻績み、撚り掛け、整経の工程の習得を目的とし伝承しています。
この方「おばあたちの手技」で糸の撚り掛けをされている方でした。
糸績みは女性がほとんどとお聞きしていますが、男性もいらっしゃいました。
●検査●
宮古上布の洗濯加工の仮砧打ちが終わると、検査員によって検査が行なわれます。
糸切れ、絣あわせ、織り傷、布幅、長さなどの検査項目の検査を行ない、補修可能なところを補修してから砧打ちがされます。これは宮古島ではじめて知りました!
検査に合格すると、証紙が貼られます。
左から◇宮古織物事業協同組合の商標登録マークの証紙、経済産業大臣指定の伝統工芸品マークの証紙、沖縄県の検査済みの証紙、県指定の伝統的工芸品の証紙。
宮古織物事業協同組合の証紙と宮古織物事業協同組合の検査項目基準に適合した証紙。
最近増えている、藍染めでない草木染めの宮古上布に貼られます。
宮古上布は藍地の十字絣だけでなく、草木染めや太い苧麻糸をつかった帯地など新しい規格もでき、新たな作品も生まれています。
個人的には、上布は細い糸であるから上布であってほしいし、琉球藍の十字絣の宮古上布らしい宮古上布が上布の中で一番の憧れです☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
しかし、今の時代にあうとされる美しい新たな宮古上布が生みだされているんだなぁ~と知る、次の工房見学へとつづきます。
宮古島ならではの、糸綜絖、宮古機、糊付のしあげの脂…。産地に赴いて知ったことのなんと多かったことか!宮古織物事業協同組合の皆さま、ありがとうございましたm(_ _ )m
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宮古上布の織りと糸績みと検査 宮古織物事業協同組合へ / ぬぬパナ八重山勉強会の旅 その7
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