銘仙は大衆絹織物として明治末~戦前の日本の和装文化の全盛期を彩ったきものです。
美しいキモノで連載中の「あのときの流行と美しいキモノ」←実はこの連載が一番楽しみ。
今号のテーマは「女学生の銘仙」。伊勢崎の銘仙について書かれています。
当時華族女学校の学長であった乃木希典は、女学生の華美な服装を苦々しく思い、
服装を銘仙以下としたが、華やかな友禅に慣れしたしんだ学生は地味な絣や縞に満足せず、
銘仙に華やかなものを求めるようになったとあります。
染織文化講座で銘仙の座学の講師をされた三橋順子先生のお話によると、
大正から戦前にかけては女給といわれた人たちが好んで銘仙を着るようになり、銘仙は
セクシャルな印象がついてしまい、急速に衰退していったという説でした。
このところ、NHKの朝の連続ドラマでは銘仙を着た普通の女性が頻繁に登場し、
銘仙に注目が集まっているともいわれます。
いっそ、明治期の華族女学校の銘仙のイメージを定着させるようなドラマが製作されたら、
戦後の銘仙=女給といったセクシャルな印象を払拭されるかも…と思ったり。
学習院女学部長だった下田歌子を書いた、林真理子原作「ミカドの淑女」とか?面白いですね。
今回産地研修でみせていただいた、秩父でつくられている銘仙は、昔の復刻柄もありますが、
現代的な明るい色調のものあり上品なものがつくられていました。
銘仙の軽くてツルッとした手触りからして、撥水加工をかけて雨コートにしたらスッゴク可愛い
新啓織物の銘仙です。
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銘仙、今昔 / 秩父産地研修 プロローグ
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