文化学園服飾博物館にて「時代と生きる ~日本伝統工芸染織技術の継承と発展~」
が開催中 (~2月14日まで) ※(2月6日は19:00まで開館延長。18:30までに入館)
この展覧会のテーマは、染織の技とそれに必要な道具。
各産地にいくと、○○○会館などがあり、こういった展示はよく見られますが、
過去の遺物といってもいいような古臭いものばかり…。
きものに限らずだと思いますが、人は皆、旅で地方を訪れたとき、その土地ならでは
のものに興味があり、心魅かれるものです。
きもの好きの方ならば、○○織会館や伝承館といったところを訪れる方が多いと思います。
しかしながら、展示をみて、その歴史や時代背景、つくられる工程の勉強にはなっても、
着てみたい!→欲しい!→買って帰ろう!という、きもの好きの熱い意欲を消沈させて
しまうような展示がほとんどなのが現状です。
きものはファッションなのです。
美しくそしてオシャレでなければ着たいとは思いません。
この展覧会の素晴らしいところは、きものを工芸品や美術品としてでなく(その要素もありますが)
ファッションとして捉えたときに、どう見せるかを正しく理解し実行していることだと思います。
昔の画像や映像は古くさいものと捉えられてしまうので、新しい画像と職人の今の姿を新たに
撮影したものが動画資料としてつかわれています。
展示は古いものも美しく綺麗に。これって大切なことだと思います。
きものを普及するにはどうしたらいいのか?
様々なことがいわれていますが、こういったことも大切です。
各産地の方は是非、参考にされてはいかがでしょう。
技法の紹介のパネル展示と動画
伝統的技法で必要とされる伊勢型紙と作品
友禅の伝統的な道具と効率化から生まれた道具の比較展示
とてもわかりやすかった、絣糸の染め分けの動画
そして、別の技法による効率化の比較展示が大変勉強になりました。
伝統的技法は守り伝えていきたいですが、きものを着る側に手に届く価格帯のもの
がなければ着る人はいなくなってしまいます。
365日きもの生活をする私としては、それを理解した上で着分けるようにしていきたい。
絞りは手括りで1反ずつ染められるものですが、大変手間がかかり高価なものとして
江戸時代に奢侈禁止令の対象となりました。
それによって絞り風の型鹿の子(染疋田)などが生まれることになります。
糸括りの効率化から動力をつかって括るもの、ロボットによる括り作業の自動化も
研究されています。
染織の技を継承していくには、技を体現する人、そして道具、何よりも着る人(買う人)が
必要となります。
この展覧会は、伝統的な技によってつくられるものの良さと効率化を考えてつくられるものの
比較がとてもわかりやすい。素晴らしかったです!
※会場内の撮影と「きものカンタービレ♪」への掲載許可を文化服飾博物館さまよりいただいております。
ご紹介しているのは、ごく一部ですので、ぜひご自分の眼で見てくださいませ(^-^)/
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「時代と生きる~日本の伝統染織技術の継承と発展~」at 文化学園服飾博物館
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