シナノキに会いにいく / 2014年秋 しな織の里を訪ねる 庄内の旅 その3 のつづきです(^-^)/
いよいよ、しな布づくりのワークショップですヾ(@°▽°@)ノ
しな布はシナノキ、オオバボダイジュ、ノボリボダイジュの樹皮繊維からつくられます。
かつては丈夫で水に強い特性を生かして、着るものとしてだけでなく、
穀物を入れる袋や酒や豆腐を漉す布、漁網やロープとしてもつかわれたといいます。
ザックリとした手触りと素朴で落ちつきある風合いが魅力♪
現在は山形と新潟の県境にある、山形県鶴岡市関川、新潟県村上市山熊田(山北)、村上市雷
の3ヶ所の地域でつくられ、「羽越しな布」として伝統的工芸品に指定され、
布の素朴な風合いを生かしたタペストリー、帯、手提げ袋、帽子、日傘などがつくられています。
【しな布づくりの工程 ~前半~】
①「皮はぎ」 シナノキを伐採し枝を落とす。樹皮を剥ぎ表皮を剥ぐ。(6月中~下旬 1日)
②「乾燥」 天日で乾燥させる。その後屋根裏部屋などで保管。(7月中旬 7日間)
③「水つけ」 しな煮をはじめる2日前くらいに水につけておく。
④「巻く」 取出して釜に入る大きさにグルグル巻き十文字に結う。
⑤「しな煮」 巻いたしな皮、木灰、ソーダー、水を入れて10~12時間煮る。(8月上旬 4日間)
⑥「へぐれたて」 水で洗い、揉み解し、1枚1枚剥がしていく。
⑦「しな扱き」 川で流れの方向に石や竹棒で扱いていく。これによって繊維を取出す。(8月下旬)
⑧「しな漬け」 綛にし桶に入れ、小糠と水で2昼夜漬込んでから、川で洗い流す。(9月上旬 2日間)
⑨「しな干し」 軒先などに吊るして完全に乾燥させる。(9月中旬 2日間)
⑩「しな裂き」 水に濡らして細く裂いて糸にする。裂き終わると束ねて乾燥。(11月上旬 10日間)
※参考 羽越しな布振興協議会HP
ここからがワークショップです♪
⑪「しな績み」しなを績んで糸にする。
しな裂きされた束をいただきました。
薄~い干瓢(かんぴょう)のような印象でしょうか…。
自分のウエストに紐を巻いてそこに束を通します。
これによって、糸の天地の向きが狂わない。
自然布の多くが地中に生えていたときの天地の位置が重要で、地と天を績んでいきます。
幅があるところを親指をつかって裂いて穴を空けます。
裂いた一方に別の糸を並べて撚りあわせます。
もう一方も撚りをかけ、さらに逆向きに上撚りをかけます。
こうして績んで長い糸にしていきます。
関川の方々がとっても丁寧にご指導くださいましたが、私は根っからの不器用…
皆さまが着々と長い糸にしていく中、こんがらがっちゃったり撚りが戻ったり(>_<)
後ろで歓談する古代降り産地連絡会の皆さまの、芭蕉布はこう、藤布は、アッツシは、
八重山の苧麻は、山北では…という話が面白すぎて気になる…(-_☆)
糸づくりは古代織の各産地の中でも独自のやり方がありますが、長い間に淘汰され、
効率が考えられており、理由があります。
⑫「へそかき」
績み終わったしな糸はへそ玉にします。(11月下旬)
親指を中に入れて巻いていきます。
へそ玉の完成ですヾ(@°▽°@)ノ
績んだ糸を巻き付けたものを綜麻(へそ)といいます。なので「へそ玉」
ちなみに、この「綜麻」が「へそくり」の語源といわれています。←実はこの旅で知りました(^_^;)
へそくりは「臍繰り金」の略ですが、もとは「綜麻繰り金」で、綜麻を繰って貯めたお金のこと。
体験すると、よーーーーーーーーくわかるのですが、糸づくりは大変です。
そして糸づくりは主に女性の仕事。
器用であれば、細く長い糸を績むことができ、収入が入りました。
それによって蓄えたお金を綜麻繰り金といいます。
お金をお腹周りに隠しておいたこと、「綜麻」と「臍」が混同され臍繰り金になったようです。
つぎは、しな織体験です(^-^)/
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しな績みとへそかき 〜しな布づくり体験〜 / 2014年 しな織の里を訪ねる 庄内の旅 その4
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