日本橋三越にて第56回東日本工芸展が開催中(~4月25日まで)
関東、甲信越、東北、北海道に在住の作家を対象に毎年開催されている公募展です。伝統工芸展は、重要無形文化財保持者(人間国宝)の先生方の作品もありますが、公募展なので、入選すれば誰の作品でも陳列されます。出品資格も問われないそうです。染織、陶芸、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7部門で厳しい鑑審査を経て選ばれた作品350点が一堂に展示されています。
きものの良し悪しを見極めるには、値段が高いものかどうかではありません。もちろん何が良いのかはその人の価値観によって違いますが…、工芸展に展示されるものは広く公募から選ばれたものであるということが重要です。それは伝統の技を極め活用した屈指のものであり、何より美しいものです。
この美しい布をつくる人はどんな人なのか…。そしてどんな想いでつくられているのか…。この会場には作家の先生方もいらしているので、お聞きするチャンスなのですが、タイミングを逃したり、きものを着る立場として、なぜか自分が話をしてしまうことも多く、反省…(_ _。) レポを書こうとすると、あれもこれも聞いてない(確認していない)と、あらためて気がつくのです。
きものカンタービレ♪は、染織の「徹子の部屋」を目指しております。私の筆の力量が至らずで歯がゆいですが寛容なお心でみていただければと思います。 じつは小学生のときの<将来の夢>に「ザ•ベストテン」の司会者と書いていました。とくに歌謡曲(死語?)が好きだったわけでもアイドルが好きだったわけでもないのですが、(そもそもテレビ番組をあまりみない生活だった)その時代の潮流に乗っている人と話をされている黒柳徹子さんが楽しそうだな~と思ったのが理由です。染織のつくり手の方とお話できること、そのころの夢が叶ったかのように楽しく幸せに思っております。作品を着ていたら尚楽しい~のですが、それは追々(^_^;) ご紹介するにあたって作品の撮影は先生の許可を得ているとわかりやすくする意味もあり、ご一緒の撮影をお願いしております。ある意味で夢を体現しているようにも思っています。感謝申し上げますm(_ _ )m
小宮康正先生と 根津美術館館長賞受賞
江戸小紋絽着尺「梨の切口」 梨の果汁がジュワッとしていそう…と感じたぐらい瑞々しい色!
小宮康義先生と
江戸小紋着尺「茶筅」 微妙にぼわっとしていて動きがあるようにみえました。
大高美由紀先生と 川徳賞受賞
吉野織帯「霜夜」 吉野織はウネウネした真田紐っぽいものが織りこまれている印象ですが、大高先生の作品は洗練されているようにスキッとしていました。紫色に白の絣足も美しい~
生駒暉夫先生と
友禅染帯「五月雨」 会場の中で一番文様の印象が強かった。雨の表現も美しいですね。私好み
遠藤あけみ先生と
型絵染着物「萌し」 型染めの面白いところは意匠は同じでも色挿しによって抑揚も自在に変えられるところでしょうか。色の濃淡で遠近感がでています。これは着用したらますます素敵になりそう。
平山八重子先生と
吉野織着物「紫にほふ」 こちらも洗練され尽くしたような吉野織。すごく緻密な織物なのですが、流れるような大らかさを感じる織物でした。先生のサッパリとされたお人柄がでている? うん、これを纏ったら幸せになれそうです♪←願望
佐々木苑子先生と
紬織絵絣帯「歌詠み鳥」 佐々木先生の作品には織りに対する愛が深く感じます。もちろんどの先生もそうだと思いますが、素直に真っ正面から向かい合っている感じするのです。佐々木苑子の絵絣、きものは無理でも帯はいつか纏いたいです。纏いたいものがあるというのは生き甲斐でございますので、頑張りたいと思います。
工芸展本展に比べると自由度が高いイメージがあるのですが、全体的に優しい作品が多かったように思いました。春だからでしょうか…
※会場での撮影は出展作家からの許可を得ていることがわかるようにという条件付きで許可をいただいて撮影したものです。「きものカンタービレ♪」への掲載の許可をいただいております。
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第56回東日本工芸展 at 日本橋三越 新館7階ギャラリー
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