「工芸・Kogeiの創造― 人間国宝展 ―」が銀座和光ギャラリーにて開催中(~4月10日まで)
染織をはじめとして、陶芸、漆芸、金工、木竹工、人形という工芸の分野の重要無形文化財保持者(人間国宝)40名の先生方の作品を揃えたはじめての展覧会です。東京オリンピックの年まで毎年行なわれる予定なのだそう。
伊勢崎淳の備前、鈴木蔵の志野、加藤孝造の瀬戸黒…。現代の名工による茶道具もみることができます。
この日は佐々木苑子先生によるギャラリートークが開催されるとあって、会場いっぱいの観客。きもの愛好家だけでなく、染織家の先生方もたくさんいらっしゃっていました。
今ここで地震があったら、染織の技の行く末が心配…と本気で思いました(゚_゚i)
佐々木苑子先生は「紬織」の重要無形文化財保持者(人間国宝)でいらっしゃいます。
小さくても大地を渡るエネルギーをもっている鳥が大好きでいらっしゃるということで、作品には鳥模様の絣柄が多く見られます。じつは私も同じ理由で鳥が好きです。なのでこのお話をお聴きしたときは電撃が走りました。いつか先生の作品を纏ってみたい
ご自分の足で山陰の絵絣の技をもつ職人を訪ね何度も嘆願してその技を学んだという情熱、曲線を絣で織りだす知性、植物のもつ素材の美しさを生かした色調。ご自身がきものを着ていらっしゃるからだと思うのですが、きものになったときの空間と文様のバランスが絶妙だと思います。着てみたい!と思うきものです。
出展されていたのは、先生の御宅のお庭にやってくる鳥の絣が入った帯「春告げ鳥」
たれ先や周りには草木染の鮮やかな色と少しだけ金糸もはいっていました。
佐々木苑子先生のギャラリートークは、染織部門の先生方の作品の特徴と技について。その中で、絹糸は煮だすことに耐える力を持っているというお話がありました。それによって生まれる草木染の絵絣の美しさは佐々木先生の作品に生きています。伝統は守るだけでなく時代にそっていくもの、そしてそれを伝承し発信していくこと。
土屋順紀先生の紋紗の帯
鈴田滋人先生の木版摺更紗の帯
日本工芸会の工芸展は本展、支部店、部会展と年3回あり、そのための作品づくりというのは、精神的にとても大変なのだそうです。重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されていても、毎回緊張するものとお聞きいたしました。
作品の向上、そして次世代への伝承のために、さまざまな人に見てもらうことも含めて、つくり手の先生方は素晴らしい貢献をされているのだとあらためて感じ入ったのでした。
工芸とは日常生活につかうことのできる機能性があって、かつ美術的な美しさを兼ね備えたものです。
重要無形文化財保持者(人間国宝)の技でつくりだされる工芸品には観賞用としてだけでも価値があります。…が、究極の贅沢ではありますが、やはり人が着てみてこそのもの、つかってみてこそのものと思っております。
それを含めて、きものカンタービレ♪では、お伝えできたらいいな~と夢は大きく理想は果てしなく。
この日は何と、憧れの佐々木苑子先生をはじめ、小形由美子先生、平山八重子先生、磯緋佐子先生、荻原初恵先生と銀座でお茶をするという幸運に恵まれました☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
各先生方にお聞きしたいこといっぱいあったはずなのですが、テンションが上がり過ぎて、きものを着る立場としてのことだけを熱く語ってしまったような…。失礼いたしました…
あのラウンジで、先生方の撮影もさせていただけば良かった。。。
せっかくなら自然光でということで、佐々木先生と銀座の街で撮影させていただきました。
少しボケてしまっているのですが、このショットが一番良い笑顔でした!
※小形先生、ありがとうございました。
そして、佐々木苑子先生ありがとうございました。感謝申し上げます。
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「工芸・Kogeiの創造― 人間国宝展 ―」at 銀座和光ギャラリー
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