江戸時代の小袖を今の時代に着る訪問着へ誂える、朝香沙都子の1人プロジェクト♪ひとつひとつの工程を確認しつつやっていただいておりますので、超長期計画です。 前田宗辰室の唐団扇花熨斗模様の小袖の復刻訪問着のお誂え ②下絵確認と生地選び at 京都 に志田 のつづきです。 に志田さんより、地色が染めあがったとご連絡をいただき、節分祭で賑わう京都へ美味しい主菓子とお茶で一息〜。 復刻のもとになるのは「白麻地唐団扇花熨斗模様染刺繍帷子」前田家7代宗辰の正室、常子(会津藩保科正容の息女)が着用した麻地の夏の小袖。 現在の着物の形状は江戸時代の小袖が元となっていますが、着用の仕方が違います。現代のようにおはしよりをつくって上から帯をすることはありません。打掛姿か提げ帯をつけた腰巻姿です。 今回の復刻するものは、自分自身が訪問着として着用することが目的ですので、麻地であっても総刺繍を施してしまったら、冷房が効いていたとしても暑くて着ることが難しい…。何よりもメンテナンスの面から夏の着物に総刺繍は向いていない(解き洗い張りができない)ということを着物生活で実感しているので、そのまま踏襲せず、意匠を生かす技法をつかってあえて袷の訪問着することにしました。自分で着用するものだからこそ実用性重視です。 復刻なのに色を変えてしまっては印象があまりにも違いすぎる…というのは、悩みどころではあったのですが、江戸時代の小袖の技法として町人に好まれた友禅ではなく、武家女性好みの縫いと摺疋田をつかうということを考えて、摺疋田が映えるように、地色は紫色を選び、色を反転させたようにつくることに。 こだわったのが紫色の深み。引き染めの場合、浸染(たき染め)よりも、仕上がりが白っぽくなる印象があり、どうしたものかとご相談して、生地は一越ではなく、五枚朱子のものを選びました。色の渡りが多いからでしょうか、繻子や緞子の生地には艶と深みがあるというのが私の印象なのです。そこでここを強く念押しさせていただきました。これ以上は色をのせないほうがいいというギリギリのライン。結果、見本とさせていただいた、に志田の若女将の郁子さんが着ていら続きをみる
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